南インドからの新しい風
更新日:7月10日
活力あふれる技術人材が育つ南インドの4つの魅力
1)国民性
広大な国土を有するインドですが、文化や人種面などで大きく「北インド」と「南インド」の二つに分けて語られます。
「北インド」はアーリア人が多く、「南インド」はドラヴィダ人と呼ばれる民族が人口の多くを占めるなど、「北インド」の人々とは対照的で、外見だけでも北と南ではかなり違うと言われています。
インドを観光で訪れた人は「激しい客引きや押し売りに辟易する」という話しをよく聞きますが、どちらかというと北インドがその傾向が顕著で、逆に南インドではあまり感じないとか。
南インド人の気質として一般的に知られているのは、穏和で争いを好まず、のんびり穏やか。
その上、堅実で真面目なため、日本人との相性も良いと言われています。
2)海外への就労を希望する背景
インドは2023年半ばには中国を追い越し、世界最大規模の労働人口を抱える国ですが、仕事の需要がないため毎年膨大な数の余剰労働者が発生し、1日約1ドルで暮らす貧困ライン人口は4億人弱にのぼります。
中には工学や実業訓練課程などの教育を終了したのに仕事がないという、高学歴失業者が存在するというのが実情です。
このように、たとえ優秀であっても国内での就労が難しいため、海外で働くことを希望する人材が多くなっています。
3)言葉の壁
南インドではタミル語が多く使用されていますが、日本語と文法や文法構成の語順が似ていると言われています。
そのため、他の国に比べると日本語の習得が早い傾向にあるようです。
また、インドでは日系企業の進出により日本語を勉強する学生が増えているため、日本語学校も多く、私立の技術系大学で日本語コースを開設したり、学位取得が可能な大学もあります。
インドは歴史上の背景もあり、英語が準公用語に指定されています。
そのため英語を話せる人も多く、簡単な英単語のやり取りでもコミュニケーションがとれるようです。
4)技術者が育つ南インド
失業者の多いインドですが、日本で就業している方は他の国に比べると決して多くありません。
日本に対して、スズキやトヨタ、パナソニック、ソニーなどの日系企業の影響で、「技術が優れている国」という印象はあるものの、やはり英語圏であるアメリカや中東諸国と比べると情報は圧倒的に少なく「あまりよくわからない国」という印象を持たれているようです。
インド南部には世界的に有名な「インド工科大学(インド全土に23校)」の7割があり、優秀な技術者が多く育っています。
そんな人材を日本企業が採用するには、もっと、「情報の発信」が必要なのかもしれません。