インド特集その①『宗教編』
更新日:7月10日
仏教徒は意外に少ない?インドの宗教について
1)ヒンドゥー教
インド最大の宗教。人口の約80%を占めていて、多数の神々や女神、精霊を崇拝する多神教です。
聖典はヴェーダという、古代インドの宗教文書。
輪廻転生と業(カルマ)の法則、そして解脱への追求が主な概念です。
有名なカーストは、ヒンドゥー教の原理と深く関わっており、法律上は廃止された現在でも、インドに根強く残っています。
牛が神聖な動物として崇拝されているのもヒンドゥー教です。
ところで、インドの各ご家庭には、大なり小なり祭壇が設けられているとか。
日本でいう、お仏壇と神棚が合わさったようなイメージですね。
現代の日本では仏壇や神棚を置くご家庭は減りつつありますが、インドでは今でも祭壇を置くご家庭が多いのだそうです。
また、ヒンドゥー教は日本の仏教や神道とも繋がりが深く、例えば、七福神で有名な神様は
大黒天様・・・ヒンドゥー教のシヴァ神
毘沙門天様や弁財天様・・・ヒンドゥー教の神々
それぞれ由来してるというから、興味深いですよね。
2) イスラム教
イスラム教はインドで2番目に大きな宗教(約14.2%)で、アッラーを唯一の神とする一神教です。
聖典はコーラン。
インドの人口約14億人(2021年世銀資料)に対し、イスラム教徒は約1億8000万人(2011年国勢調査)。
日本の人口(約1億2330万人)以上のインド人がイスラム教を信仰していて、世界的には信者が多い国なんです。
ムスリム(イスラム教徒)は、主に北部と東部の地域に集中しており、一日数回モスクに向かってお祈りをしたり、ラマダン(断食月)やハッジ(巡礼)などの行事を祝います。
豚肉を食べることが禁じられているのもイスラム教です。
3)キリスト教
インドではキリスト教も信仰されていて(約2.3%)、主に西部と南部の地域に集中しています。
キリスト教は救世主イエス・キリストへの信仰に基づき、カトリック、プロテスタント、オーソドックスなど、さまざまな教派が存在します。
教派によって異なりますが、礼拝や聖書の読解、キリスト教の祭りなどが一般的です。
日本でも有名な宣教師フランシスコ・ザビエルですが、実はインドのゴアにある世界遺産ボム・ジェズ教会に遺体が安置されています。
世界中からカトリック信者がゴアに集まり、信仰の対象になっているとか。
ザビエルの実体が現存していることに驚きですが、安置されているのがインドいうのも意外ですね。
4)シク教(シーク教)
シク教はグル・ナーナクがインドで始めた宗教( 1.7%)です。
信者の数もインドが圧倒的に多く世界一(1位インド約2300万人 2位アメリカ約70万人)。
インドでターバンを巻いている男性はシク教徒の方なのだそう。
パンジャーブ地方のゴールデン寺院が総本山として有名です。
公益奉仕のため、世界中のシク教寺院にて無料で食事を提供する(ランガル)があります。
ここでは性別・民族・国籍・身分・肌の色関係無く、どなたでも床に座って食事をいただくことが出来ます。
5)仏教
インドは『仏教発祥の地』とされていますが、信者は意外に少なく、人口の0.7%、数で言うと840万人ほどです。
7〜8世紀に、仏教とヒンドゥー教の対立の中でイスラム勢力が侵攻し、仏教徒がイスラム教に改宗するなどして仏教が衰退したのだそう。
現代のインドでは、特に西ベンガル州や北東部の一部に信者が集中しています。
創始者はブッダ(ゴータマ・シッダール)で、仏教の核心教義は「四諦」と「八正道」。
仏教は苦しみを克服し、悟りを開くための教えであり、慈悲と非暴力を説いています。
他にもインドでは、バラモン教やジャイナ教・ゾロアスター教など、多様な宗教の人が入り混じって暮らしています。宗教の数だけ価値観も多種多様。
多様性の国インドを理解するには
「自分とは異なるものを受け入れる心」
を持つことが大事だと言われております。
宗教の数だけ考え方・価値観もひとそれぞれ。
まずはインドの宗教について学んでみることが、インドを理解する近道かもしれませんね。
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